祈りの島として知られる世界遺産「黒島」の楽しみ方
長崎県佐世保市の九十九島(くじゅうくしま)に属する島々の中で、最も面積が大きい「黒島」。
江戸時代、キリスト教禁教下でも信仰を守り続けた「潜伏キリシタン」が暮らしていた島として知られています。
現在も島の人口の約8割がカトリック信徒で、潜伏キリシタンの子孫たちが今もこの島の文化や自然を守り、信仰とともに生きる暮らしが丁寧に受け継がれています。
「黒島の集落」は2018年7月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録されました。
島のシンボルとなっている美しい祈りの場「黒島天主堂」は、100年以上の歴史があり、国の重要文化財として指定されています。
黒島は相浦港からフェリーで約50分。潜伏キリシタンの文化的歴史に触れたり、九十九島の大自然が望める絶景スポットがあったりと、見どころ満載!
また、山の幸と海の幸をふんだんに使った伝統の「島めし」を楽しんだり、黒島のミネラルたっぷりな海水を使った「黒島豆腐」や、島のお母さんと一緒に作る「ふくれまんじゅう」など、黒島でしかできない体験があります。
今回はそんな黒島の楽しみ方をご紹介します。
まずは黒島ウェルカムハウスに立ち寄ろう!
相浦港からのフェリーは一日3便と少ないので、事前にチェックを。
日帰りで楽しみたい方は10:00発の便がおすすめです!
黒島港に到着したら、まず最初に訪れていただきたいのは黒島港のすぐそばにある「黒島ウェルカムハウス(黒島観光協会)」。
内部は観光案内所と、黒島でとれた野菜や魚介・特産品が買える直売所があります。
黒島は公共交通機関がないので、島内散策は自転車がおすすめです。
こちらではレンタサイクル(1時間300円)を行っています。
自転車は電動アシスト自転車なので坂道も快適!体験の予約や情報収集もここでできます。
◎黒島旅客船
電話:0956-56-7516
時刻:相浦港発 10:00/13:00/17:00
黒島港発 6:40/11:10/15:30
運賃:往復 大人1,390円
※詳細はお問い合わせください。
◎黒島ウェルカムハウス
住所:佐世保市黒島町8-4
電話:0956-56-2311営業時間:9:00~16:00
休日:不定休
ホームページ:http://kuroshimakanko.com/
島のシンボルである黒島天主堂へ
島のほぼ中央に位置する「黒島天主堂」。
最初に定住したフランス人のマルマン神父の指導のもと、カトリック信徒である島民の献金と労働奉仕で、1902年(明治35年)に完成しました。
約40万個のレンガを積み上げ、黒島特産の御影石を使い、鮮やかなステンドグラスと有田焼のタイルが敷かれた床は、厳かな雰囲気を作り出し、神聖な気持ちになります。
教会の見学の事前予約は修復工事完了後に受け付けます。
ミサの見学予約はできませんのでご了承ください。
※2019年2月〜2021年3月末まで(予定)保存修理工事を実施しています。
安全性の確保を最優先とするため、工事期間中は敷地内への立ち入りを制限し、
建物の見学は外部の見学台からとなります。
※工事の進捗によっては、工事期間が延期されることがあります。
ご理解とご協力をお願いします。
◎黒島天主堂
住所:佐世保市黒島町3333番地
お問い合わせ:長崎の教会群インフォメーションセンター095-823-7650(9:30~17:30)
HP:http://kyoukaigun.jp/
※見学について:見学の際は予約が必要です。インフォメーションセンターまでお問い合わせください。
教会は信者のみなさんにとって大切な祈りの場です。教会の規定に従ってご見学ください。
十字架の墓石が並ぶカトリック共同墓地
初代黒島天主堂と同じ頃(明治12年頃)に作られたカトリック共同墓地。
禁教令が解かれてカトリックに復活した信徒は、こちらの墓地に埋葬されるようになりました。
黒島原産の「御影石」を使った十字架の墓石は黒島ならではの景色です。
教会建設を指導したマルマン神父もこちらに眠っています。
蕨(わらべ)展望所で絶景を望む
五島列島を望む海原と、荒々しく切り立った断崖が見える展望所です。
島の人たちが手作りしたテーブルやイスがありますので一休みはここで。
美しい季節の花々も楽しめます。
島ならではの体験「ふくれまんじゅう」と「黒島豆腐づくり」
島のお母さんが教えてくれる「ふくれまんじゅう」と「黒島豆腐づくり」の体験ができます。
ふくれまんじゅう
ふくれまんじゅうは昔から、行事やお祝い、人の集まる席などに必ず作っていたそうです。
ふっくらした生地の中に、手作りアンコがたっぷり入っています。
カッカラ(サツマサンキライ)という葉っぱにのせてふっくら蒸しあげます。
お母さんの家で、やさしく教わりながら一緒に作ることができます。
黒島豆腐
どの家でも豆腐は昔から手作り。
島の周りの海水を”にがり”として豆乳を固めます。
大釜で炊いたり木枠に流し込んだりと、普段はなかなかできない工程を体験できます。
できあがりは味も歯応えもしっかりしていて、ほのかな海水の塩加減がほどよいあんばいです。
◎黒島観光協会
ホームページ:http://kuroshimakanko.com/
電話:0956-56-2311
※体験プログラムは7日前までの予約が必要です。
海と大地の恵みを味わう「島めし」
その日の朝に獲れた魚や貝を塩焼きやお刺身でいただけます。
黒島は全体が肥沃な赤土でできているため、ジャガイモや玉ねぎ、ニンジンなど根菜類が美味しく育ちます。
色とりどりのお煮しめは絶品です。
島飯は黒島の民宿や味処でいただくことができます。前日までに予約が必要ですので、以下よりお問い合わせください。
【島めし提供店】
・民宿つるさき:0956-56-2038
・喜久屋旅館:0956-56-2002
・山した旅館:0956-56-2016
・海鮮味処さざんか:0956-56-2807
※いずれも前日までに予約が必要です。
黒島への行き方
フェリーに乗って黒島へ行くまでの道のりも楽しいのが黒島観光。
佐世保駅からフェリー乗り場がある相浦港までの行き方については、こちらのページで詳細をご確認いただけます。
◎佐世保駅から黒島への行き方はこちら