日本遺産鎮守府として認定された海軍都市佐世保の魅力
明治時代に日本の海を守る軍港のまちとして開拓され、発展してきた長崎県佐世保市。
その近代化遺産が、平成28年に日本遺産に認定されました。
日本遺産とは
地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」として文化庁が認定。
有形や無形の様々な文化財群を、地域が主体となって整備・活用し、国内だけでなく海外にも発信していくことにより、地域の活性化を図ることを目的にしている。
鎮守府として発展した佐世保
明治期の日本は、近代国家として海防力を備えるため、横須賀、呉、舞鶴、佐世保の4か所に鎮守府を設置することを決定しました。
それまで静かな農漁村だった佐世保には、人と先端技術が集められ、海軍諸機関と共に水道、鉄道などのインフラが急速に整備され、日本の海を守る拠点として近代的に発展してきました。
日本遺産になった「鎮守府」は、軍事や造船、交通、水道など佐世保市だけで502件もの近代化遺産が構成文化財に選ばれています。
戦後の歴史に影を落としてきた「軍」は、近年日本の近代化に大きな役割を果たしてきたという事実が見直され始め、新たな観光資源として注目されています。
鎮守府の歴史に触れるおすすめ観光スポット
1.針尾送信所(旧佐世保無線電信所)施設 国指定重要文化財
2.巨大防空壕『無窮洞(むきゅうどう)』
3.海の防人たちの御霊を祀る『佐世保東山海軍墓地』
4.旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館(佐世保市民文化ホール)国登録有形文化財
5.鎮守府の面影を海から体感!!SASEBO軍港クルーズ
1.針尾送信所(旧佐世保無線電信所)施設 国指定重要文化財
大正7(1918)年から大正11(1922)年にかけて建設された、日本に残る唯一の長波通信施設です。
高さ136mを誇る3本の巨大な電波塔は、煉瓦造りに代わる最先端技術として佐世保で発展した鉄筋コンクリート技術の到達点であり、近代建築の金字塔といえます。
太平洋戦争開戦を告げる「ニイタカヤマノボレ1208」の電信を発したとも伝えられています。
住所:〒859-3452 長崎県佐世保市針尾中町
電話番号:0956-58-2718 (針尾無線塔保存会)
料金:無料
営業時間:9:00~12:00、13:00~16:00
休:年末年始
駐車場:あり
◎針尾無線塔についての詳細はこちら
2.巨大防空壕『無窮洞(むきゅうどう)』
『無窮洞(むきゅうどう)』とは、第二次世界大戦のさなか(1943年)、当時の宮村国民学校の教師と小学生たちが掘った巨大な防空壕のことです。
中は幅約5m、奥行き約19m、生徒600人が避難できたというほどの大きさで、先生や小学生の手によるものとは思えないほど立派な防空壕です。
避難中でも授業や生活ができるように、教壇を備えた教室をはじめ、トイレや炊事場、食料倉庫なども造られており、戦時下の時代背景を知ることができます。
◎巨大防空壕『無窮洞(むきゅうどう)』見学についてはこちら
海の防人たちの御霊を祀る『佐世保東山海軍墓地』
明治24(1891)年に設立され、佐世保鎮守府がおかれてから太平洋戦争が終わるまでの56年の歴史の中で、戦闘や事故により命を落とした海軍将兵17万柱の御霊が祀られています。
墓地内は甲〜戊の5区に分けられており、甲区から丁区は階級別の個人墓、戊区は軍艦や艦隊単位となっています。
年間を通じて多くの参拝者が訪れています。
広い敷地内には日露戦争で命を落とした廣瀬武夫中佐の歌に「杉野は何処(いずこ)杉野は居ずや」のフレーズで登場する杉野孫七兵曹長や、『美しき天然』の作曲者である田中穂積軍楽長などの墓もあります。
住所:〒857-0842 長崎県佐世保市東山町182-1
電話番号:0956-88-8397(管理事務所)
料金:無料
開園時間:9:00〜17:00
駐車場あり(駐車場は16:30まで)
◎佐世保東山海軍墓地の詳細についてはこちら
旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館(市民文化ホール)国登録有形文化財
大正12(1923)年に第一次世界大戦の凱旋記念館として、佐世保鎮守府管下の12県(九州・四国・沖縄)から、建設予算約8万6000円(現在の価値で約11億円)の寄付によって建てられました。
旧海軍の催事が行われ、戦後は米軍のダンスホールや映画館として利用されていました。現在は市民の演劇や音楽発表の場として利用されるほか、鎮守府に関する写真やパネルが展示されています。
住所:〒857-0056 長崎県佐世保市平瀬町2
電話番号:0956-25-8192(要予約)
見学時間:9:00〜17:00
休:毎週火曜日・年末年始
◎旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館(市民文化ホール)の詳細についてはこちら
鎮守府の面影を海から体感!!SASEBO軍港クルーズ(毎週土日祝のみ運航)
海から体験するSASEBO軍港クルーズ!
250tクレーンをはじめ、日本遺産の構成文化財や海上自衛隊の艦船などを間近に見ることができるガイドツアーです。
海軍工廠に由来する造船所「佐世保重工業(通称SSK)」や五島、西海、平戸の島々を航路で結び、様々な船舶が行き交う佐世保港。
今日までの様々な歴史をガイドの案内を聞きながら巡ってみませんか。
人気のツアーなので、事前予約がおすすめです。
料金:大人2,000円(中学生以上)/小人1,000円(小学生)
運航日:土・日・祝限定 11:30頃出発
所要時間:約60分
電話番号:0956-22-6630(佐世保観光情報センター)
チケット購入場所:佐世保観光情報センター(JR佐世保駅構内)
◎詳細・ご予約はこちら
鎮守府ゆかりの港街グルメ
佐世保は鎮守府の開庁以来、海軍のまちとして発展し、戦後はアメリカ文化の混在するユニークな港まちと変化しました。
海軍ゆかりの多彩な食文化からも、異国情緒あふれる港まち・佐世保ならではの魅力に触れることができます。
ぜひ港街グルメも合わせてお楽しみください!
◎港街グルメ情報はこちら